霊柩車

1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/13(月) 14:57:27.20 ID:uKPRjxU+O

ぼん


(元スレ:http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1344837447/)


3:霊柩車:2012/08/13(月) 15:01:17.72 ID:uKPRjxU+O
霊柩車
Kさんという若い女性が、両親そしておばあちゃんと一緒に住んでいました。

気立ての良かったおばあちゃんは、数年前寝たきりになってから、急に偏屈になりそれが元で家族からも愛想を尽かされていました。

今は介護も食事も雑になり、そのせいで身体が一気に弱り、最後には立ち上がる事もできず、口すらもきけず、ただ布団の中で息をしているだけというような状態になっています。

そんなある日Kさんが2階の部屋で寝ていると、深夜に何回もクラクションの音が響きました。

Kさんが腹を立ててカーテンをめくって外を見ると、家の前に止まっていたのは大きな一台の霊柩車でした。

エンジンをかけている様子もなく、ひっそりとしています。
そしてKさんが見た途端クラクションは止まり、そのまま朝を迎えました。

ところが朝になってKさんは、両親に昨日のクラクションの話をすると、二人は知らないといいます。
あれだけの音に気づかないわけはありませんし、両親がそんな嘘をつく理由もないように思われました。

Kさんは、あれはもしかしておばあちゃんを迎えに来たのではないかと夢想するようになりました。おばあちゃんは相変わらず「元気」なままでしたが。

それから毎夜、霊柩車はクラクションの音と共にやって来ました。

不眠も続き、不気味さでノイローゼ気味になった7日目のことです。


5:霊柩車:2012/08/13(月) 15:02:41.35 ID:uKPRjxU+O

両親がある用事で親戚の家に出かけなくてはならなくなりました。本当はKさんも行くのが望ましかったのですが、おばあちゃんがいるので誰かが必ずそばにいなくてはなりません。

両親が出かけてしまうと、Kさんは霊柩車の件もあり、おばあちゃんの部屋には不気味で近寄りもせず、食べさせなくてはいけない昼食もそのままにして放っておきました。
ところが、両親は約束の時間になっても帰って来る気配がありません。

両親が帰ってこないまま夜中になり、その日もクラクションは鳴りはじめました。
Kさんがいつもの通りに2階の窓から外を見下ろすと、いつもはひっそりとしていた車から、何人もの黒い服を着た人達が下りてきて、門を開けて入ってくるではありませんか。

そのうちに階下でチャイムの鳴る音が聞こえました。
出ないままでいるとチャイムは軽いノックの音になり、しまいにはもの凄い勢いでドアが「ドンドンドンドンドンドン!」と叩かれ始めました。

パニックで叫びだしそうになった、その時、電話がけたたましく鳴ったのです。


7:霊柩車:2012/08/13(月) 15:04:28.49 ID:uKPRjxU+O

Kさんは両親からの連絡であることを祈って受話器を取りました。

「もしもし!もしもし!もしもし!」





「○○さんのお宅ですか」

意外なことに、やわらかい男の人の声でした。

「こちら警察です。実は落ち着いて聞いていただきたいんですが、先ほどご両親が交通事故で亡くなられたんです。あのう、娘さんですよね?もしもし、もしもし・・・」

Kさんは呆然と立ちすくみました。不思議なことにさっきまでやかましく叩かれていたドアは、何事もなかったかのようにひっそりと静まり返っています。

Kさんは考えました。もしかしてあの霊柩車は両親を乗せに来たのでしょうか?おばあちゃんを連れに来たのでなく?
そういえば、おばあちゃんはどうなったのだろう?
その時後ろから肩を叩かれ、Kさんが振り返ると、動けない筈のおばあちゃんが立っていて、Kさんに向かって笑いながらこう言いました。









「お前も乗るんだよ」


8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/13(月) 15:06:31.39 ID:0eBTxf/J0

ぎゃー!


10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/13(月) 15:09:09.27 ID:PNnPcoDM0

こえええええええええええ!!!


11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/13(月) 15:10:55.07 ID:hvhGP7Uui

漫画太郎タッチで想像したばかりに...


14:おにいさん:2012/08/13(月) 15:24:47.18 ID:uKPRjxU+O
おにいさん
原著作者「怖い話投稿:ホラーテラー」「匿名さん」
生まれは都市圏だけど、まだ緑が多かったころなので遊び場には事欠かなかった。
家の近くに大きな空き地があって、毎年盆踊りをそこでやっていたのを覚えてる。
その空き地が潰されて大きな工場が出来たときに、自分の遊び場所がなくなってすごく悲しい思いをした。
そんな頃の話。

小学校の頃はやんちゃだった。いつも悪戯ばかりして怒られている様な。
そんな俺と同じようにやんちゃなNとY。
3人で遊んでいれば何でも出来そうな気がしたもんだよ。

夏休みのある日、自転車で川を遡って行って、水のきれいなところで川遊びをしようってことになったんだ。
朝から自分たちでおにぎり作って、水筒に麦茶詰めて、リュックを担いで、一生懸命自転車を漕いでさ。
そういったちょっとした冒険旅行みたいなことは誰でもするだろ?俺たちもそう。
それで、朝早くから3人集合して川を遡ったんだ。
もちろん川原を遡っていくのは無理だから、川に沿った道を延々と。

時には迷いながら2時間ぐらい遡った山のふもとで、ちょっと休憩しようってなったんだ。
もちろんそこは知らない町でさ、電柱には『五木町』って書いてあった。
面白いのは、同じ色の青い屋根、同じ大きさの家がいっぱい並んでたのをよく覚えてる。
おかしいな?とも思ったんだが、それでも3人いれば楽しくって気にならなかったな。
自転車を川沿いの道の端に寄せて止めてから、俺たちは川原に降りた。


15:おにいさん:2012/08/13(月) 15:25:47.67 ID:uKPRjxU+O

天気は少し曇ってたけど、蒸し暑いうえに自転車漕いでたせいもあって汗でベタベタ。
一刻も早く川の中で体を冷やしたいって思って川の方へ向かったんだけど、
そこにはその町の住民らしき人が20人くらい、大人も子供も集まってなんかやってるんだ。
一言も話しをせずに黙々と作業をしてる感じ。
大人も子供も。老若男女を問わず。
土を掘ってるように見えて、何となく異様な光景に思わず俺たちの足は止まってしまった。
そして、示し合わせたかのように一斉にこっちに向けられる数十の瞳。
今でもハッキリ覚えてる。
その瞳にはこう、なんて言ったらいいのかな?生気的な物が無くって虚ろな感じだった。
そう思ったか思ってないかのところで、その集団の中から小さな女の子の声で、
「…のおにいさんが来たね」って聞こえた。
その瞬間、ホントに瞬く間に、今まで生気が無かったのにすごく優しい顔になって話しかけてきたんだ。
「どっから来たんだ?」とか、「3人だけで来たのか?そりゃすごい!」とか。
オレとNはそのギャップが怖くなって、あまりしゃべる事が出来なかったんだけど、
人見知りをしないYはいつの間にか溶け込んで、笑いながら話しをしてる。
周りの住人もニコニコしてるし、
俺たちに「疲れただろ?」とか言いながら、紙コップに入れたお茶とかお菓子とか出してくれる。
最初は警戒していた俺もNも段々慣れて来て、お茶やお菓子をもらっていろんな話をした。
「今日はこの町でお祭りがあるから、よかったら参加していきなさい」とか言われて喜んでたっけな。


16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/13(月) 15:28:48.66 ID:uKPRjxU+O

その後、町の子供たちと川遊びをして遊んだ。
魚を捕まえたり水風船もって追いかけっこしたり。
この町のみんな人懐っこくて、トイレに行くにも必ず誰かがついてくる。
だから一人ぼっちになる事が無くて楽しく遊べたんだ。

夕方になったのでそろそろ帰らないといけないと3人で相談してたら、住人のおじさんが、
「今日はお祭りがあるから遊んでいきなさい。自転車と君たちは車で送ってあげるから」と言われて、
3人で「どうしよう?」と悩んだ挙句、その提案を受ける事にした。
遊びの途中で帰るなんてその頃考えられなかったし、いつも遅くなって親に怒られていて、慣れていたってのもある。
それを伝えると、目をまん丸にして「そうかそうか」って喜んでくれた上に、
「他のみんな(この町の子供)は法被に着替えてるから、君たちも着替えるといい」と、赤い法被を3つ手渡された。
Tシャツの上から法被を羽織ると、おじさんは「よく似合ってるよ。やっぱ主役はこうでなきゃ」って褒めてくれたんだ。
その後おじさんに連れられて、町の人でごった返した祭りの会場に連れて行ってもらったんだ。

会場は所狭しと出店が並んでいて、普通であれば真ん中には櫓が組まれているはずなのにそれは無く、
ひな壇みたいなものがあって、その上で太鼓と笛が小気味良い音を奏でてる。
そのひな壇の近くにお神輿が大小二つあって、
大きいほうは15人くらいで持つ奴で、小さいほうはその気になれば一人でも担げるようなミニ神輿だった。
なんだあれはと思っていると、法被を来た子供たちがどこからともなくわらわらと俺たちの周りによってきた。


17:おにいさん:2012/08/13(月) 15:30:44.81 ID:uKPRjxU+O

総勢で20人くらいいたのかな?
高学年の子も低学年の子もいて、みんなニコニコしてるんだけど、みんな法被の色は紺色だった。
「俺達と法被の色が違うね?」と言うと、高学年ポイ子に「おにいさんだからだよ!」と言われた。
俺より高学年ポイけど違うのかなって思ったんだけど、まぁいいやって思って、子供みんなで遊んでた。
出店に行くと「お金はいらんから」って何でもくれる気前のよさ。
俺たちも他の子供もわたあめ食べたり、射的したりで存分に遊ばしてもらった。
大人はというと、遠巻きに子供たちを眺めながら酒を飲んでいる。

しばらく遊んで、頃合いとみたのかさっきのおじさんが、中央のひな壇の上で大きな声でしゃべり始めた。
一斉に止む笛の音や太鼓の音。
「それではおにいさん祭りを開催します!!」という声と共に歓喜の声。大人も子供も。
俺たちも訳も判らずはしゃいでる。
子供たちは全員がそのおじさんに連れられて、さっきの神輿があったところに。
町の子供たちは、あらかじめ場所が決められていたかのように大きな神輿の回りに順序良く整列した。
この神輿はスゴくキラキラしていて装飾がすごい。
もちろん子供が持てる大きさなので、テレビなんかで大人が担ぐ神輿に比べればたいしたことはないが、
一見して豪華だということは子供ながらにも判った。
俺たち三人はどうすればいいのか判らないのでマゴマゴしていると、さっきのおじさんがやってきて、
「ほら、君たち三人はこの小さい方を担いでね」と、大きい神輿のすぐ近くにある小さい神輿を指差した。


18:おにいさん:2012/08/13(月) 15:32:17.93 ID:uKPRjxU+O

近寄って見てみると、こまごまとした装飾に屋根の上には炎のような飾りがついていて、
昔はきれいだったのだろうが、今はだいぶ汚れている。
泥汚れ?らしきものもあり、おじさんを振り返ると、
「この前の祭りで落としちゃって少し汚れてるけど、大丈夫だよ」と笑顔で言われ、
「なぁんだ」と安心したのを覚えてる。

配置は、俺が進行方向で言えば前で担ぐ事になり、Yが左でNが右だった。
すると、おじさんがまた大きな声で「それでは神輿を担いでくださ~い」と指示を出すと、
大きな神輿はエイッという掛け声と共に子供たちの肩に担がれた。
それを見た俺たちも、掛け声を入れつつ小さな神輿を担ぐ。いや、担ごうとした。
その瞬間、見た目と違う重さにビックリして、神輿を落としそうになった。
あわてて駆け寄るおじさんが支えてくれて落とさずに済んだが、尋常でない重さだ。
おじさんの方をチラッとみると、
「ホラホラ頑張って。周りを5周くらいするだけだからね」とやさしく言われたので、頑張ってみる事にした。

両肩が神輿の重さで軋むが、歩けないほどじゃない。
ソロソロとゆっくりではあるが、3人で時計回りに歩き出した。
それと同時に、笛と太鼓の楽しそうな音色が始まる。
いつの間にか大人たちが近寄ってきていて、「ほらほら、頑張って~!」とか応援してくれる。
最初は重さのあまりおっかなびっくりだったが、
少し慣れてきたのか、歩く速度より少し遅いくらいのスピードになっていた。
このときで半周くらいだったかな。

もう少しで1周というところで、突然後ろから「ドン」っと押される感じがあった。
よたよたと千鳥足になったが、何とかこらえることができた。
何があったのかと後ろを振り返ると、真後ろに大きな神輿を担いだ子供たちがニヤニヤしながら立っていた。


19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/13(月) 15:33:49.83 ID:uKPRjxU+O

一番先頭の子供が「ごめんね~」とまた謝ってきた。
あまり口をきく余裕がないほど重いので、軽く頷きまた歩き始める。
いつの間にか大人たちは近すぎるほど傍によってきており、手を伸ばせば触れられるほどの距離だ。
みんな口々に「頑張れ」とか「もう少し」とか応援している。
その応援を支えに歩こうと数歩行った所で、今までにはないくらい激しい「ドン」がきた。
思わず神輿から手を離してしまい、地面に手を突く。
神輿が落ちると思い上を見上げると、
傍まで寄った大人たちが落ちないように支えててくれたようで、神輿は宙に浮かんでいる。
別の大人の手が俺を起こし神輿のところに立たせると、神輿を支えていてくれた手が無くなり神輿が両肩に食い込む。
後ろを見る余裕もないが、耳には「遅いからさぁ、ぶつかっちゃうんだよねぇ」という声が聞こえてくる。
一瞬ムカついたが今は早くこの神輿を下ろしたい一心だったので、
また歩き始めようとしたその瞬間を狙って「ドン」とやられた。
同じようにつんのめり、両手が地面に付きそうになったところで大人の手に支えられる。
神輿も宙に浮いている。
また起こされて神輿を担ぐ。
またすぐに「ドン」。
また転びそうになると大人の手が支え…
また神輿を担ぐ…
明らかに異常だ。
周りの声も「頑張れ」とかいう応援じゃなく、「早く立て」とか「早く歩け」などの怒声に変わってきている。
半分泣きそうになりながら神輿を担ぐ3人。
周りの大人の中には、竹を縱に裂いた竹刀のようなものでケツのあたりを叩いてくる人までいる。
もう嫌だと思って逃げようとしても、周りの大人によって引き摺られて戻される。
おかしい。何かおかしい。
そう思い、ふと近くにいた大人の顔を見てびっくりした。
すでに笑顔ではなかった。
まるで敵を見るかのような目で、俺たち3人を睨みつけていた。
周りの他の大人たちも同じだった。皆が皆すごい形相で睨んでいる。


20:おにいさん:2012/08/13(月) 15:37:41.64 ID:uKPRjxU+O

子供心にこれはまずいと思い、何とか逃げ出そうと考えるが、
それを見越したように後ろから「ドン」とやられて、また転んでしまった。
荒々しい手に立たされ、無理矢理神輿を担がされる。
そのわずかな間で周りを見渡すと、俺たち3人の神輿の周りに大人が群がっている。
進行方向の右手にいつもひな壇があるので大人は少なめだ。大人のほとんどは左手と正面に集まっている。
真後ろには大きな神輿が迫っている。
神輿を担がされる前にYとNの顔を見た。眼が合った。
軽く頷くと、神輿を担がされて大人たちの手が無くなった瞬間に右側に神輿をわざと倒した。
よろけて倒れたと思った大人が、手を出して神輿を支えようとする。
俺たち三人はその隙を見てひな壇の方に駆け出した。
後ろからは大人の声で「捕まえろ」という叫び声が上がっていたが、
その頃には一心不乱に笛や太鼓の音を鳴らす大人の脇をすり抜けていた。
闇雲に走って川沿いの道まで来ると、そのままの勢いで下流に向かって走り出した。

どのくらい走ったか判らないが、息が切れるまで走り続けて、
もう走れないところまで走ったところで後ろを振り返ると、懐中電灯の光らしきものが10個以上見える。
その光景に寒気を感じて、3人で無理矢理走り出した。
少し走るともう息は続かない。
もう走れないと思ったときに、目の前に自分たちの自転車が見えた。
3人で何も言わずに飛び乗り、ひたすらペダルを漕ぎ続けた。
怖くてもう後ろを振り向く余裕もない。必死だった。

自分の知ってる道に出てもしゃべる余裕が無くって、ひたすらペダルを漕ぎ続け、
一番近い俺の家に3人とも転がり込んだ。
玄関から入るなり安心して泣き出す3人。
怒りまくっていた母親も父親も呆気に取られていたと思う。
そりゃそうだ。
やっと帰ってきたと思ったら赤い法被着て、傷だらけで泣き喚く息子を見たらビックリするに決まってる。


21:おにいさん:2012/08/13(月) 15:40:03.30 ID:uKPRjxU+O

一泣きしてようやく事情聴取。
もちろん他の二人の親も呼ばれた。
今日起きたことを包み隠さず話した。
川を遡った事、山のふもとの町で親切にしてもらったけど、重い神輿を担がされたこと。
年上におにいさんと呼ばれたり、町人の態度がおかしくなり、すごい目で睨まれた事…
親たちはみんな頭の中が「?」だったに違いない。
でもその中でNのお父さんが聞いてきた。
「その町の家の屋根の色、全部青じゃなかったか?」
俺たちはみな「そうそう」と頷いた。
Nのお父さんは「やっぱりか」と言って、説明を始めた。

Nのお父さんによると、その地域は昔から差別の強いというよりは仲間意識が強い地域で、
みんなが同じ家に住み同じように暮らしていくという、社会主義みたいな考えがある地域らしいんだ。
そんな村の昔話で、鬼の一家が出た話ってのがあるらしい。

近くの山には鬼の一家が住んでいて、それが時々ふもとに下りてきては悪さをして逃げていく。
一番悪いのは父親であろう大鬼で、人を犯し、殺し、食み、これを至上の楽しみとしていた。
あとは4匹の小さな鬼で子供のようだったが、父親と同じように悪さをしていたという。
そんな事を繰り返していたらしい。
その町(そのときは村か)も結構な被害が出て、襲われて命を落とすものや、攫われていく事があったらしい。
仲間意識の強い村の中でのこと。どうにかしようと村の中で思案しあった結果…
鬼一家をもてなす事に決めたらしい。
鬼が来たら村人みんなでニコニコしながらお出迎えをして、考えられる全てのもてなしをしたらしい。
そんなことしたら鬼が一家で居つくかもしれないって考えるだろ?
最初は警戒していた鬼も段々慣れていき、結局一家で居ついてしまった。
それでもみんなニコニコ。


22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/13(月) 15:42:31.52 ID:uKPRjxU+O

ある日、いつものようにもてなしていると、大鬼は酔っ払って眠たそうにしている。
それを察したある村民が大きな戸板を持ってきて、
「この上に横になってください。私どもが寝床まで運びましょう」と言った。
その申し出に大鬼も気を良くし、戸板の上に横になって運んでもらう事にした。
そして、そのまま大きな寝息を立てて眠ってしまった。

ふと鬼は眼を覚ましたが体が動かない。
見ると体が鎖でグルグル巻きにされ、腕を動かすことすらままならない。
騙されたと気づき子鬼を呼ぶが返事が無い。
大鬼の体は戸板に乗せられていたが、少しずつ動いている。山を登っているようだった。
動かない体を無理して戸板の下を覗き込むと、大鬼の体を持ち上げているのは4匹の子鬼だった。
その4匹全てが大怪我を負っている。
大鬼の寝ている間に村民にやられたのであろう、片手をなくしている子鬼もいれば足がもげ掛かっている子鬼もいた。
4匹に共通しているのは、4匹とも両目を潰されていると言う事だった。
その子鬼が大鬼の乗った戸板を担いでいるのである。
子鬼を村民の1人が、「鬼さんこちら、手の鳴る方へ」と手を叩いて導いてる。
周りには人、人、人。
その全ての人の手にはそれぞれ鍬や鋤、竹で作った鎗などがあり、
一番近くにいる村民は、たまに子鬼を後ろから手に持った得物で叩いて喜んでいる。
それが山を登っていく。
子鬼が倒れそうになると村民が得物で叩き、起こし、また担がせて歩かせる。
そのうち一匹の子鬼が歩けなくなった。足がもげ掛かっていた子鬼だ。
村民は容赦なく得物で打ち据え、殺してしまった。
その死体を戸板の上にいる大鬼に乗せると、大鬼は大きな声で吼えたという。


23:おにいさん:2012/08/13(月) 15:44:35.63 ID:uKPRjxU+O

それでも村民は気にしない様子で山を登らせる。
少し進んだところでまた子鬼が一匹殺された。
子鬼2匹では戸板を担ぐ事が出来なかったので、村民の若い奴が手伝ってやった。
数時間かけて山頂に上ったところで、残りの子鬼2匹が殺された。
それを見た大鬼は怒り狂った声を上げたが、村民は黙々と薪を拾っている。
大鬼の上に死んだ子鬼の死体を重ね、その上に薪を山のように積み上げて火をつけた。
大鬼は死ぬまで吼え続け、完全に息絶えるまで数時間かかったという。
その間村民は宴を開いていたとか。

そんな事があり、鬼退治をした村として後世の村人に伝えるため、毎年その時期になるとお祭りをする事にしたらしい。
鬼役が4人ほど(ほとんどは子供)で重い神輿を担ぎ、それを村民全員でからかいながら練り歩くというもので、
昔は『鬼祭り』と呼ばれていたらしい。
しかし、村内で鬼役をするのを嫌がる村民が増えたため、
たまたまその時期に来た旅人とかに無理矢理させることにしたらしい。
鬼退治のときと同じように、最初はもてなしておいて、祭りがあるといって参加させ、無理矢理神輿を担がせる…
近年は『鬼祭り』を『鬼さん祭り』と改めてはいるが、余所者が行くと必ず神輿を担がされてひどい目に合うので、
知ってる人はこの時期は誰も近づかないようにしてるという。

それを聞いて俺たちは身震いした。
あの時言ってた『おにいさん』は、『お兄さん』じゃなくって『鬼さん』…?
そう考えていたら、Nのお父さんがぽつりと、
「ものの本によると、山に住んでいたのは『鬼の一家』じゃなく、『山賊の一家』らしいんだよな」って。
じゃぁ、殺されたのは5匹の鬼じゃなくて5人の…

それからしばらくは外出できず、家の中で少しの物音にも震えてた。


24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/13(月) 15:49:49.65 ID:BtZuhb8I0

コエーーー


25:閉ざされた一家:2012/08/13(月) 15:56:54.99 ID:uKPRjxU+O
閉ざされた一家

興味深い話しを聞いたので紹介しておきます。

警察には未公開な事件が多数あるらしいのですが、そのファイルの一つに、TSと銘打たれた事件がある。
事件はこうだ。今から7年前、千葉県内にて連続殺人事件が発生した。
被害者は8名で、全て20歳前後の男性。
遺棄された死体は全裸にされ、男性器…キン◯マが千枚通しで二つとも串刺しになっている姿で発見されたとのこと。
しかも、生きている間に貫かれている。
これは、男性に深い怨みをもつ女性の犯行とみて捜査を続けたが、いっこうに犯人が上がってこない。
仕方がないので、公開し注意喚起とともに、情報提供をもとめようと考えた。

そんな中、現行犯のチャンスに警察はめぐまれたが、取り逃がしてしまった。
何故か?そこにいた全員が恐怖で動けなかったという。
犯人はプロファイルされた女ではなく…いや、人間ですらなかった。
正確にいうなら…雌というべきか…。奇形のよたいだったという証言もある。
とかく、目の前で玉を串刺しにされ悶える男をみながら、彼らは何もできなかった。

しかし、事が終わり、その化け物が去るときには正気に戻り、追跡を始めた。
その化け物は、土地で有名な資産家の宅へ入っていった。
まさか…さらに犠牲者が?と思い突入したが、何もなかったかのように主がいるだけだった。
ことの次第を説明し、捜査への協力を求めたが、主は顔色を変え拒否した。
しかたなく、署に戻り報告したが、
あまりに不可解かつ、主が一連の事件に深く関わっていることは一目瞭然であるため、
家付近をしばらく監視することに決定した。


26:閉ざされた一家:2012/08/13(月) 15:58:00.80 ID:uKPRjxU+O

1班は張り込みを、そして2班は身辺調査を…といった形で、2班に分けて捜査は続けられた。
張り込み組に関しては、1ヶ月以上なんの成果もなく時が過ぎたが、
調査組に関しては、興味深い事実を発見することができた。

その事実とは…

■その資産家の苗字○○○○(漢字四文字)は、その土地でなくてもかなり珍しい名前。
■何故かある代以下は養子で家を継がせており、実子が存在しない。
■ある代以下は結婚もせずに、養子縁組だけで成り立っている。
■養子にしている子供の素性が不明。

等々…

さて、成果の上がらない監視組はというと…。
あまりの暇さに、その化け物が入っていったことも見間違いかもしれないと、半ば諦めていた。
そんな中…23時頃、家の中から悲鳴とも雄叫びともとれる音が闇夜に響く。
捜査員は急いで自宅のインターホンを鳴らした。
しばらくして、主が戸を開けた、捜査員が先程の音の話しをすると…主はとたんに青ざめた。
何かある…と捜査員は主の家へ踏み込む。
リビングや寝室 等には異常はみられない。
やはり勘違いかと失望したが、二度目、やはり叫び声が家から聞こえた。

詳細に部屋内を調べると…明らかに、家の大きさからすると、大きすぎるデッドスペースがあるように思えた。
回りを捜索すると、予想通り入口を発見したのだった。
中に入った捜査員は…
中に漂う腐臭とその光景に硬直したらしい。


27:閉ざされた一家:2012/08/13(月) 15:59:55.74 ID:uKPRjxU+O

そこでみた光景は報告書によると…

■追跡した犯人が寝ていた。
■犯人と同じ様相の生き物が2体そこにいた。
■すぐ側に大きな箱があり、無造作に赤子と思しき腐った遺体が入れられていた。
とかく捜査員は無線で応援を呼び、主を確保。
そして、3体の化け物がいる部屋を閉ざし、応援を待った。
応援が到着後、主を連行し取り調べを行った。
調書からのポイントは以下のようなものだった。

■あの三体は自分の家族であり、母親、姉、娘であること。
■捨てられていた赤子も自分の子であること。
■○○○○家では近親相姦を繰り返し、あのような化け物(奇形)が生まれてくることが多いこと。
■先祖から家が集落に呪われており、
 集落の外にでることも集落の外から嫁を迎えることもできなかったことが、近親相姦の始まりであったこと。
■昔は奇形の赤子を埋めて棄てていたが、今では簡単に捨てられない為に、保管せざるを得なかったこと。
■昔は勝手に自分の実子にしても疑われなかったが、今では制度が整いすぎて、 養子として実子を育てるしかなかったこと。
等々…信じられない話しが調書にまとめられた。

さて、彼らはその後どうなったかといえば…
主は勾留中に自殺。他の三体の家族たちは秘密裏に処理されたという。

主とのやり取りの中…
「失礼ですが、あのようなモノと性交をもつことに、嫌悪感はないのですか?」
という警察官の問いに、
「えぇ…家族ですから…」
と微笑む主の顔が印象的だったと、それを知る当事の警官は語ったという。


28:閉ざされた一家:2012/08/13(月) 16:00:48.78 ID:uKPRjxU+O

追記…

ちなみに調書で、なぜにあの奇形が男性のキン◯マを刺すのか?ということについては、
解らずじまいだったそうです。
そして、千枚通しが8本もある家も変だし…とかく奇妙な話しでした。

尚、何故に彼らが外に出るかといえば、
主が「夜くらいは外の空気を吸わせてあげたい」って気持ちだったとのことです。


1001:以下、名無しにかわりましてクズ吉がお送りします:2012/00/00(日) ID:lifehackest